日本キャンプ協会

From…多様な可能性

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私は、キャンプでのスタッフワークが好きです。その一つにキャンプファイアーの薪組み、木組みがあります。太さや長さといった大きさ、木の種類、湿っているか乾いているかを見ながら、それぞれの節の位置や曲がり具合がすべて異なりを確かめつつ組んでいきます。

そして、目的であるキャンプファイアーのプログラムの内容や時間、対象年齢や人数、場所によって組み方を考えていきます。当然、併せて風など環境を考慮します。ときには基本形である井桁だけではなく、これらの条件に応じて異なる組み方も取り入れてみます。キャンプファイアーが、勿論「うまくいく」ことが喜びですが、このように、ある目的に沿うように、異なるものを組み立てていく行程が好きです。

さて、前号の「キャンピング」でスペシャルニーズのキャンプが特集されていたように、心身や発達に障がいのある方、小児がんや喘息などの疾患のある方、更にはグリーフ、リフレッシュといった身近な方を亡くした方や被災された方を対象としたキャンプが、数多く各地で実施されています。またこれまでも、高齢者対象のシニアキャンプ、言葉や文化の異なる外国の方との国際交流キャンプなども実施されています。

この数年、私はこのフォーラムに関わることで差別される病気のことを学び、年に一度ですがキャンプのお手伝いをさせていただいています。このことで更には、多様なセクシャリティについて学ぶ機会を得ていますが、この方々にも今後キャンプを用いて新たな取り組みができるのではと模索しています。

このようにキャンプには、多様な可能性があります。そして、多種多様なキャンプをより良いものとするには、スタッフ、ボランティアにも若い方からシニア世代の方々まで広がり、疾病や疾患のある方がボランティアとしての関わり、それぞれの分野での専門家との連携が絶対的に必要となっています。これまで以上に多様な組織、人財と智恵、更には新たな理解者と財源がますます必要となっています。

これらを上手く組み合わせることが出来ることで、暖かくて優しい炎に包まれた、楽しく素敵なキャンプファイアーが演出できるのにと考えています。


CAMPING162より掲載