日本キャンプ協会

From…ボランティアとしてのカウンセラー

 昨年度、勤務校で初めてボランティアコーディネート論という授業を担当した。キャンプの活動は世界的に学生ボランティアを中心に運営されており、100年にわたる伝統的なボランティアに関する方法論は、意識はされていなくても、立派なボランティアコーディネート論として確立されている。キャンプでの学生ボランティアの募集、養成、苦情処理、さまざまな相談、金銭的な活動支援など、キャンプディレクターはまさにボランティアコーディネーターとしての活動をするのである。

加えて、これもキャンプに関係深い災害ボランティアの話や、今、多くの市町村で取り組まれている公民協働の事業など、ボランティアに関係する話題には、今、事欠かない。

 ところが、前年度は30人の受講であったので、最近はやりのアクティブラーニングと言われる体験型の授業をしようと授業計画を作ったのだが、蓋をあけてみると、受講登録者は500人を超え、階段状、机固定の大教室をあてがわれて、体験どころか、日々の授業運営すら大変なことになってしまった。

 それでも学生に参加してもらうためにはと知恵を絞って、授業前に、自分でボランティアに関する本を読んだり、ボランティア活動に参加したりする体験をもとに、主体的に授業に参加して、話し合いとアンケートに答えるという形の参加型の授業にしてみた。

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 そのアンケートの結果、面白いことがいくつか分かった。約70%は大学に入って(ある意味強制的に)初めてボランティアをしたということ。さらに、参加したボランティア活動の約半分がゴミ拾いや草抜きなどの環境保護活動で、そのほとんどが1回限りで継続していないこと。スポーツ指導や子ども会活動などキャンプに近い活動は継続性が高いこと。すべての活動を通して、多くの学生が楽しかった、また、自分にとってプラスになったと答えていることなどなど。

 これからさらに精査して、キャンプカウンセラーというボランティア活動が、若者の成長に大きな意義があることをちゃんと証明しようとは思うが、残念ながら500人の受講者の内、キャンプの活動にかかわってくれている学生は10人にも満たなかった。子どもたちのためでもあるが、キャンプを通して成長したい学生はきっとたくさんいるはず。私がそうだったように。

 CAMPING158より掲載