日本キャンプ協会

From…本物に触れること

映画が大好きで学生時代は年間50本というのが普通でしたが、時間がないこともあって、レンタルビデオの時代を経て、今はもっぱら衛星放送を契約しての映画鑑賞。大抵はこれで済ませても良かったなと思えるのですが、やはり「良い映画は映画館」で見ないといけないと思って、せめて年の初めには大スクリーンで1本は見るようにしています。

昨年の年始には「レ・ミゼラブル」を鑑賞して、人間の強さと弱さや人としての尊厳心を揺さぶられ、更には音楽、ミュージカルの持つ迫力と映画の強みに感動し涙してしまいました。今年の年始は「永遠の0」を見て、家族愛の大きさと、何があっても、決して「戦争はしてはいけない」という意を強くすると同時に、最新の技術をうまく用いた特殊撮影が、より映画を良いものにしていました。いずれも自分自身の涙腺が弱くなっていることを実感するものでもありました。

 さて、「あなたの理想のキャンプは?」と聞かれることがあります。私は、キャンププログラムは「自然環境を生かす、もしくは自然環境の中でもできて、教室で行う以上に共感できるもの」であり、決してゲームや本からだけではない体験学習であること。そして、そのプログラムを通して、「人が変えられる瞬間」や「心が揺さぶられる機会」を創造できるキャンプが理想のキャンプと答えています。これこそがキャンプの魅力ですから。

そのためには、テレビの画面だけではなく、体験することで本物の自然に出会い、風や香りを感じ、人との交わりの中から刺激を受け、芸術や創作活動にも感動や驚きの瞬間をもつ、そんな体験をたくさん提供してあげることが役割と痛感しています。そう映画のように、人間の歌の力や新しい科学技術をキャンプにもっと生かせる可能性を強く感じながら。

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CAMPING157より掲載