日本キャンプ協会

From…もうひとつのI .C .F.

 日本キャンプ協会の会報に「ICF」と書けば、どなたも「国際キャンプ連盟(International Camping Fellowship)」と思われるかもしれませんが、今回はもうひとつのICFを…

 もうひとつのICF、それは「国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health)」です。2001年に世界保健機構(WHO)が採択した「障がいに対する考え方、捉え方」で、正式名称は「生活機能・障がい・健康の国際分類」といいます。このICFが制定されたことによって、疾病による機能障がい、能力障がいが社会的不利をもたらすという「マイナス面」が強調されていたそれまでの考え方から、「仮に障がいがあっても、一人一人の生活機能を活かしてできる活動があり、それをサポートすることでその人の日常生活や社会生活がより活き活きとし、その人らしい社会参加が可能になり、社会的役割を担う機会が生まれる」という「プラス面」を強調する捉え方に変わりました。このように変更したのは、国際生活機能分類(ICF)が「自立支援と個人の尊厳保持」を目指しているからではないでしょうか。
 来年2016年4月1日には、障がいを理由とする差別の解消を推進し、全ての国民が「障がいの有無」によって分け隔てられることのない共生社会を実現する目的で、「障がい者差別解消法」が施行されます。必ずしもキャンプに直接関係する法律ではありませんが、すでにキャンプでは「だれもがみんな一緒に活動に参加し、自己実現していこう!」という目標のもと、多くの活動が実施されていて、素晴らしいスピリットが満ちあふれています。
 キャンプは、人と人を結び、心を通わせ合い、よりよい共生社会を拓いていくための素晴らしい活動です。そのことを今再び社会に発信していきたいですね。
 キャンプに、ふたつのICF!
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CAMPING164号より