日本キャンプ協会

【キャンプの履歴書】中田 一夫 さん

 

中田 一夫(学生時代 YMCAのリーダーをしていた時は「チョコボールリーダー」) さん
(キャンプディレクター1級/
キャンプ歴 学生時代5年間、神戸YMCAで野外活クラブ<コスモス>のディレクターとして7年、
保育園園長として園児の野外活動、キャンプのディレクターとして11年、計23年)

 

インディアンに扮した園長

キャンプディレクターの資格を取得した理由は?

キャンプや野外活動が人生の方向を決定づけるほど魅力があり、「こども」の成長の機会を提供するものだという確信があったため、一定の見識や技術をもって、キャンプや野外活動の運営を指導・援助したいと考えたためです。
現在は保育園園長として、園の夏のキャンプ、園外保育などの企画、運営に資格が役立っており、発達特性を持つ「こども」、不登校、引きこもり、ネグレクトにさらされる「こども」やヤングケアラーなど家庭に問題がある「こども」のためのキャンプ、AIやSNSから切り離された自然の中のキャンプ等々に取り組んでいきたいと考えています。                                                      
 

思い出に残るキャンプは?

学生時代にボランティアリーダーとして携わったYMCAキャンプや野外活動、それぞれに思い出があります。その一つひとつの経験の積み重ねにより、「こども」理解、家族理解、小集団グループワーク、組織キャンプの基礎を学びました。また、自然との関りのなかから被造物への愛着が形成され、環境問題にも関心が深まりました。                                                                                                                      
 

キャンプやキャンプ指導で大事にしていることは?

還暦を機に保育園の10年分の活動記録を「園長日記」としてまとめました。キャンプや野外活動の記録を収録しています。
伝えたいことは多くありますが、その一部を紹介したいと思います。
 

キャンプという言葉を誰しも使いますが、もともとの意味は「兵士が天幕(テント)に泊まって宿営している場所、あるいは、その訓練を受けている場所」と言われています。
また、キャンプが教育の「補角」(Complement)と言われることもあります。「補角」というのは、それを補うことによって人間への教育が完成するとい意味だそうです。
現代社会は、こどもが大人の商業主義(ゲーム、テレビ、ソーシャルメディアなど)に飲み込まれる状況や管理された街中で十分に自然の中で遊べなくなった状況、少子化が進み大家族で協働生活ができなくなっている状況などがありますが、それを補う役割がキャンプにはあるということです。                                                       
その役割の一つとして、保育園では「自然を大切にする」ということを標語に挙げ、どうすれば、こども達の心の中に「自然を大切にする」という心が芽生える」のか考えています。
 
環境破壊の問題があちこちで議論されるようになってからもうかなりの時間が過ぎています。始まりは、1960年代から始まった工場排水で汚染された河川や海でしょうか。昔の西宮市の甲子園浜は海水浴場でしたが、今はもう海で泳ぐ人はいません。今は原発から排出される放射能や大量に排出されるゴミによる海洋汚染が問題になっています。森林伐採、工場や車などによるCO2の排出による温暖化。そして、海面の上昇と巨大な大台風と集中豪雨にみられる異常気象。もう日常のことになった微小粒子状物質(PM2.5)や花粉、食物によるアレルギー性。未知のウイルスによる世界規模の感染。
これほどに騒がれていても自分の切実な問題にはなっていない気がします。それは何故でしょうか?
水俣に代表される公害訴訟や原発による環境汚染、近年の自然災害により多くの命が失われているにも関わらずです。科学技術の進歩によって人間の欲望を原動力として便利さや快適さを追求し続けていますが、その欲望が途絶えることはありませんし、今この時が快適ならばそれでいいのです。私も今の快適さから逃れることができていません。しかし、何かおかしい。
 
自然は言葉をもっていません。自然に心があるのかどうかはわかりませんが、ものが言えません。歴史的に社会から疎外されてきた、こども、外国人、女性、障がい者、黒人、沖縄やアイヌに住む先住民などの人権問題は、少しずつですが、取り上げれてきました。ですから、私たちになくてはならない自然にも人間と同様に、その存在に権利が与えられなくてはならないのではないかと考えるのです。何故ならば、私たちは海や陸、そして空やそこに生きる生物なしでは生きていけないからです。そして、今、その自然との共存を真剣に考えなければ、未来のこども達に顔向けできないのではないかと思うのです。

 
毎日のように報道される「クマ被害」問題も違った角度からこの問題を考える必要を感じています。
 

キャンプディレクターの資格取得を迷うキャンプインストラクターの方に向けて、アドバイスを!

野外活動やキャンプを通して、ほんとうに実践したいことがあるならば、先ずは基本的な「価値」「知識」「技術」を学び、多くのキャンプ実践者と交わる機会を得ることが自分の成長につながると思います。
「資格」は目的ではなく、学びと成長の機会を得るための「手段」であると考えています。
 

関連リンク

みどり野保育園
▶https://midorino.jesusband.jp
 
 

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