From…すべての人が輝ける場所
2013年02月08日(金)キャンプについて
この夏ロンドンではオリンピックと、それに続いてパラリンピックが開かれました。この2つの大会では、各アスリートがこれまで長年にわたって限界へ挑戦し続けきた成果を競い合う場としての魅力が遺憾なく発揮され、その姿に私たちは一喜一憂し、「スポーツ」のもつ魅力に大いに魅せられ、喜びと感動を得ました。また、アスリートたちがこれまで歩んできた「人生」を垣間見ることや、挫折や成長を知ることによって、喜びを共にすることもありました。テレビで見る街の方々へのインタビューでは「感動しました。感動をありがとう」「勇気をもらった。ありがとう」と多くの方が答えておられます。大震災をはじめさまざまな課題を抱えていて、ともすれば下を向いて歩いてしまいそうになる私たちにとっては、表彰台に上がるメダリストたちはとても輝いて見え、誇らしく感じられたのではないでしょうか。
この夏も、私の大好きなキャンプが全国各地で実施されました。目をつぶれば、キャンプのさまざまな場面が思い浮かびます。子どもたちの喜びの声が聞こえるキャンプサイト。自然の中で久しぶりに思う存分走っている被災地の子どもたち。障がいや重い疾患のある子どもたちの嬉しそうな笑顔。キャンプを支える青少年をはじめとしたボランティアやスタッフの充実感あふれる姿。そして、ちょっぴりたくましくなったお子さんを微笑んで迎えてくださる保護者の方々。
私たちの行うキャンプには、意図されたいくつもの仕掛けや意図されないさまざまなマジックがあります。奇跡を目の当たりにすることもあります。これまでできなかったことを克服したり、気づかなかったことに気づき感動するチャンスは誰にでもありますし、自分自身を大切に思うことで喜び、他者を認め、リスペクトすることで感謝や感激する瞬間もたくさん訪れます。何より私たちキャンプに関わる者は、キャンパーの喜びや感動を共にすることができ、人が変わり成長するその「瞬間」に立ち会う喜びを知っています。また共に生きることの大切さや、人は勇気を与え合うことができるということをキャンパーと共に学ぶことができます。メンバーはもちろん、スタッフ、リーダーなど関わるすべての人がメダリストのように輝くことができ、輝いて見える人を誇らしく感じることができる、それもキャンプいいところです。そう考えると、私は見るスポーツも大好きですが、やっぱりキャンプをやめられそうにありません!
このコラムは、日本キャンプ協会 石田易司会長・星野敏男副会長・神崎清一常務理事・吉田大郎常務理事からなる論説チームが担当します。
CAMPING149号より転載